CASE.5
プラットフォーム:IBJメンバーズ
居住地:東京都
年齢:38歳
職業:会社員
申し込み相手の苗字が、ただごとじゃない。
ある日、結婚相談所のマイページに届いた1件の申し込み。
写真を見ると……うん、タイプではない。全然。
だが、目が止まったのはその「顔」ではなく「苗字」。
あれ、この名字……見たことあるぞ……?
珍しいその一文字。漢字の読みも、並びも、妙に記憶にひっかかる。
そこで、黒い私は動いた。
そう、Googleという名の“死神の目”で調査を開始。
ヒットしたのは、あの“元賞金王”
検索結果に現れたのは、かつての賞金王プロゴルファーの記事。
そして、そこに載っていたのは——
「キャディーとして同行する娘さん」
\ドン!!/
その娘さんの顔、婚活写真と一致。
趣味:ゴルフ → 一致
出身:関東某県 → 一致
顔:一致(タイプじゃない)
もう、これはほぼ“確”案件。
欲に目がくらんだ男、現る。
私の中で何かがささやいた。
「……おい、これはもしや玉の輿チャンスでは……?」
見た目は好みじゃなくても、
“元賞金王の娘”ってことは、実家は資産家じゃない?
という邪な気持ちが脳内を駆け巡る。
私の中の“白い天使”が言う。「やめておけ」
でも“黒い私”はこう叫んだ。
「会え!全力で探れ!」
お見合い:キラ vs L の心理戦、開幕
ということで、お見合い決行。
実物を見ても、やはりタイプではない。
(あ、写真は“盛ってない”という意味では誠実かも)
しかし、“実家資産”というキーワードが私の理性を保たせる。
この日は無難に会話して終了。お見合い成立。仮交際へ。
そして、決戦は次のステージ——初回の食事デートで始まった。
核心を語らぬ娘 vs 探りまくる男
デート当日、私は決めていた。
今日こそは核心に迫る。
“実家の資産状況”を引き出してみせる!
だが、相手の女性は何も語らない。
父の「ち」の字も出ない。
むしろ話題は淡々と、趣味や仕事のことばかり。
私:それで、ご家族はどんな方が?(さりげなく聞いたつもり)
彼女:普通ですよ〜。趣味はゴルフくらいで。
くっ……ガードが堅い……!
この心理戦、まさに“キラ vs L”。
お互いに相手の本音を読み合う探り合い。
そして敗北。
この日、私は何も得られなかった。
……ちなみに、私、ゴルフやりません。
打ちっ放しすら行ったことがありません。
ホールインワンもパーもバーディーも、
漫画の中の世界です。
なのに、何を頑張っていたのか私は。
お金の匂いに反応した自分が情けない。
そして、告白の気配
そんな私の気持ちとは裏腹に、
彼女からのLINEは加速していった。
返信が早い。ハートマークが増える。
夜中にも「今日は楽しかったです♡」のメッセージ。
あれ?これ、向こうは完全に“その気”……?
見た目、性格、フィーリング、金銭感覚、
……全てが合ってるわけではないけど、
相手は私に好意を持ってくれている。
そんな時、私の中の白い天使が再登場した。
最後に、白い私が勝った。
悩んだ末に私は、
「すみません、やっぱりこのまま進むことはできません」
と、伝えた。
彼女は少し驚いていたけど、
「わかりました」とだけ返ってきた。
それで、この婚活ストーリーは終わり。
愛か、金か。最終ジャッジは…!
いくら家柄が良くても、
どんなに有名人の娘でも、
資産や地位があったとしても、
結局は「好きになれるかどうか」。
人間だもの。
だから声を大にして言いたい。
「愛だろ、愛っ!!」